有明から里塚を歩く
'08.06.04. 晴れ
 滝野すずらん公園渓流口入口にある斜長橋の下から厚別川を渡り、川に沿っ た遊歩道を下っていく。道々、そこかしこに植えられたすずらんや私の知らぬ 栽培種の色鮮やかな花々をデジカメに納めながら、10分ほど歩くと鱒見の沢 口の駐車場に出る。ここから厚別川の支流を遡って「鱒見の滝」を見に行く。 駐車場から滝への遊歩道は急峻な谷あいの緑陰に囲まれて気持ちがよい。  この滝の名は、厚別川を遡上してきた鱒がここで行く手に立ち塞がる滝を見 上げてこれ以上の遡上を諦めたという。ほぼ垂直に近い落差18mの溶結凝灰 岩の崖から落ちる水流は、厚別の滝に比較して優雅に広がる女性的な感じの滝 である。


 自衛隊演習場に至る林道の途中から入る「有明自然林遊歩道」は山腹につけ られた踏み分け道をジグザグに上り下りして林間の爽やかな緑陰を縫って走る 気持ちのよい道である。途中の道端には、キンポウゲの黄花、フデリンドウの 可愛らしい青色が目に留りデジカメに記録する。
 遊歩道は全長2km程度だが、途中の分岐点には東屋風の立派な休憩所、ベ ンチや方向案内標識が設けられており迷うことなく散策が楽しめる。遊歩道は 秋の紅葉が楽しめる「もみじ台」休憩所から小さな沢水の流れに沿って下って 行く。歩いて10分ほどで急崖に出会ったと思ったら、そこが「有明の滝」の 落ち口であった。  この辺りの典型的な溶結凝灰岩から落ちる流れは、幅は狭いものの落差は十 分な13mの立派な滝を形成している。


 有明小学校で学ぶ学童の数はそう多くはないと思われるのだが、立派な鉄筋 コンクリート3階建ての本校舎のほかにログハウス風の集会所と屋根つき野外 ステージもあって恵まれた環境が整っている。時折、子供達の賑やかな声が風 に乗って聞こえてくる。 あとで調べたところでは、有明小学校は札幌市内で4校しかない特認入学制の 小学校で、自然との調和を教育方針とする少数学級で運営されている。歴史は 古く明治44年厚別尋常小学校特別教授場として開校し、現在で100周年に なる。


 里塚霊園の丘を下って羊が丘通を横断し「厚別東通」に沿う裏道を少し行く と「三里塚神社」が鎮座している。神域は昔と変わらないが、付近は住宅に囲 まれ裏手には大型スーパーが建設中であり、神社は石段の上に追いやられた形 でなんとも痛ましい。 それでも石段の上に上がってみると神域らしい荘厳な雰囲気が漂うのだが、神 域の守護とばかりに大カラスが柏の木の上から私を威嚇するのには閉口した。 お参りもそこそこに済ませて退散することにした。
鱒見の滝
有明の滝
有明小学校の集会所
三里塚神社
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