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古い地図によれば、菊水地区の小河川が「上白石小学校」の辺りに発して、菊水上町を
縦断し、JR函館本線以北は「南7条米里通」に沿って流れ下り、「米里」で旧月寒川
や望月寒川と合流し「逆川」となって、最後は札樽自動車道の走る現「豊水大橋」の袂で
豊平川に注いでいたらしい。その小河川の鉄道線路以南の上流部分を「小川」とか、
「小沼川」と呼んでいたようだ。現在川跡は幅2mほどの遊歩道となり、住宅の間を
抜けて菊水2条から1条にまたがる「いずみ公園」の縁を通っている。
菊水元町6条に出て望月寒川の流れに沿って堤防を下流へ進むとほどなく「豊平川下水
処理場」の大きな建物が左手に見えてくる。かってはこの辺りで小沼川、望月寒川、月寒
川の3川が合流し、これから下流は「逆川」となって北へ流れ豊平川に注いでいた。現在
の「月寒川」はJR平和駅の西側から真北へと治水改良工事がなされたため、望月寒川と
はさらに北の「札幌インターチンジ」の裏で出会うようになっている。その以前の月寒川
(「旧月寒川」)はもはや水量も少なく、望月寒川の手前にあって平行に排水溝のような
「米里川」に合流している。
米里12号橋から下水処理場の横を北へ向かう。この道は菊水と米里の境界になってお
り南7条米里通を横断した先は道幅も広くなって「米里通」という紛らわしい名の幹線道
路に変貌する。この道の西側にぴったりと沿うように細いアスファルト舗装の小径が続い
ているが、これがかっての「逆川」の埋め立てられた延長部分のようだ。600mほど2
つの道の北への併走が続いて札樽自動車道の高架が間近に見える頃、突然にまだ埋め立て
られていない逆川の水路が現れてくる。もはや水面が見えないほど雑草が一面に覆い茂っ
ている。豊平川増水時には先の下水処理場の辺りまで豊平川の川水が逆流したので、この
川の名前が付いたという経緯がある。
逆川河口のそばに開発建設部が造成した「豊平川桜の杜」と名付けられた緑地がある。
石狩川治水80周年記念事業と銘打って桜の若木が数年にわたって400本ほど植えられ
ているが、桜の名所になるにはまだ年月がかかりそうだし、私も初めてこの場所を知った
のだが、市民への広報も無いに等しい。来年の開花の季節には再度来訪して税金の使い方
の妥当性を納税者の目で検証せねばなるまい。
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菊水いずみ公園脇の旧小沼川跡 |
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旧月寒川、米里川、望月寒川合流点 |
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逆川の河口近く・一面の雑草 |
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豊平川桜の杜 |
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