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JRバスに乗って「手稲本町」の一つ手前の「新富丘」で下車する。三樽別川の右岸と市営
団地の間を上がって「高台通」に出る。 高台通を札幌方面に少し戻ると「富丘西公園」に
出る。この公園は「地区公園」という分類になっており、春には野生種のすずらんの名所と
して有名である。私は残念ながらその季節に訪れたことがない。夏の終わりの今時期はスス
キの穂が膨らみ色付いてきて秋が近いことを知らせている。木道の傍らには淡い紫色のホタ
ルブクロの花が可憐な姿を見せている。
富丘西公園の中を向こうに抜けて住宅地を進むと「富丘川」にぶつかる。この川は手稲山
麓の沢に発して札樽自動車道の下を潜り「中の川」に注ぐ小河川の一つだが、この時期水の
流れはチョロチョロとか細い。昔の手稲山登山道の一つとして、富丘川の上流を遡って手稲
山の東尾根を辿るルートがあったらしいが今はない。現在の西区、手稲区の区界にほぼ相当
する。富丘南公園の横から札樽自動車道の下を潜って山側に出る。
アンダーパスを潜ったすぐ左手の山脇の斜面に「球徳稲荷」の朱色の鳥居の立つ参道が付
いている。第二鳥居のすぐ両側には石のお狐さまがあり正面には朱塗りの小祠が座っている。
いかにも稲荷社の佇まいなのだが、格子戸越しに祠の中を覗くと金剛夜叉明王が鎮座してい
る。通常、お稲荷様のご神体には豊受神など、穀物、農業、広くは産業の神様として全国に
最も普及しているが、この祠のご神体はなぜか仏様が鎮座している。「球徳」の由来につい
てもよく分からない。
さらに先へ進んで再び高台通に合流しすぐに「宮の沢公園」の南側に出る。この公園は先の
富丘西公園より少し小さいが、公園の中に歩を進めると造成時の植生を出来るだけ保存した閑
静な緑地になっている。近隣公園とはいえ日中でも人影はなく余り近隣に知られてはいないよ
うだ。公園内には、照明、遊歩道、東屋、木のテーブル、ベンチなど十分に装備されているが、
利用者は少ないようでベンチやテーブルに落ち葉が積もっている。昨今は何でもマイカーで移
動するようで、駐車場やパークゴルフコースがないとこんな状態になるのだろうか。
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富丘西公園 |
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富丘川 |
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球徳稲荷 |
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宮の沢公園 |
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