豊平の南を歩く
'08.08.17. 晴れ
 福住駅のすぐ南側に「小川公園」という妙な名前の小公園がある。小川の流れて いる公園などどこにでもあるが、この小川には「ウラウチナイ川」という立派な名 がある。アイヌ語で「ウライ・ウシ・ナイ(梁の多い川)」の意で、羊が丘に発し 国道36号線を横断して札幌ドームの北側、旧羊が丘団地付近でラウネナイ川と合 流する。小川を中心として狭い緑地を配しているが、ここから「札幌ハリストス正 教会」の特長あるタマネギ尖塔が載るロシア風ビザンチン様式の白壁2階建ての聖 堂が見える。


 福住桑園通と水源池通の交叉点付近、旧月寒水道浄水場跡の北側に「西岡八幡宮」 の社がある。西岡八幡宮は、兵庫県からの移住者が郷土八幡神社の神霊を明治26 年に奉斎したことに始まる。神明造りの壮麗な社殿を持ち、境内も広くそこかしこ に記念碑も見られる。折から数人の愛好家が境内に集ってバードウォッチングをし ていた。それにしても重そうな三脚付きの望遠鏡を据えて熱心なことである。


 平岸霊園の北側で「白石藻岩通」を横断し、以前冬に歩いた「高台公園」を抜け て、「ぼうず山公園」に出る。平岸台地の先端の一角を占めるぼうず山台地は、現 在ではマンション建設のために一部変形してしまったが、この地から縄文遺跡が発 掘されるなど歴史的に貴重な場所として知られている。公園は、台地を3段に切り 崩して造られており、台地の頂上から西側の展望が広がる。夏の豊平川花火大会の 隠れた見所の一つでもある。



 ぼうず山台地から「羊が丘通」に出て「月寒公園」の南縁に沿って走る「アンパ ン道路」を下る。この道路は明治44年、月寒に村役場が移転し不便さを蒙った地 元住民と歩兵第25連隊の兵隊達が協力して平岸−月寒の間に拓いた全長2.6キ ロの道路で、4ケ月ほどで完成させたという。道路工事に従事する兵隊達に間食と してアンパンを供したことからこう呼ばれるようになった。今でも、老舗の月寒ア ンパンが郷土資料館の向かいで製造販売されている。
札幌ハリストス正教会
西岡八幡宮
ぼうず山公園から西の眺望
アンパン道路記念碑
目次  前のページ  次のページ