平岸・豊平の神社を歩く
'08.11.15. 晴れ
 墓地から丘伝いに「天神山」に上がり「相馬神社」にお参りする。明治4年3月、岩手県水沢の 旧藩士ら65戸203人の入植者が天神山を遙拝所(札幌神社)として祭事を執行したのを創祀と するが、明治35年福島県相馬郡太田神社分霊を奉遷して、仮神殿を設け奉斎した。流れ作りの社 殿の前には大きなシバクリの神木があり、樹齢300年を越えると云われている。境内には、平岸 開村五十年紀念碑(大正9年建立)、相馬神社創立記念碑、馬頭観音碑などがある。


 社務所の裏側から「天神山緑地」へ出る。丘の上に建つ「国際ハウス」の前のカエデの紅葉は見 事で、常緑樹の緑とよい対比を見せてくれる。遊歩道に沿って丘を下り、緑地内にある石川啄木の りんごに託した歌碑やりんごにまつわる久保栄文学碑を見て廻り、三吉神社にお参りする。この神 社は、天満宮で平岸天神とも呼ばれているが、急な石段の参道から社殿を背景に眺める紅葉もまた 美しい。社殿の裏には天神山の三等三角点も置かれている。




 再び平岸通に出てくるともう大分日が傾いてきた。平岸小学校前から都合よく来たバスに乗り込 んで北へ向かい、少し先の平岸3条1丁目バス停で下車し、ここから東にある「豊平公園」に向か う。この公園は元林業試験場北海道支場の跡地で、引き継がれた樹木は繁華な街の中の広い敷地に 得がたい緑地を作り出している。現在敷地の北西側には道立スポーツセンター「きたえーる」が建 っている。公園内の紅葉をも楽しみながら北側に抜けて国道36号線沿いにある「豊平神社」へ足 を向ける。





 豊平神社は札幌で最古の神社の一つで、明治4年入植の阿部仁太郎氏が郷里青森の猿賀神社祭 神を、現在の神殿の東方に小祠を建て奉斎したのにはじまるという。明治17年神殿造りの社殿を 新築しこの年を鎮座年としている。街中のさして広くない境内には、連合用水記念碑、阿部仁太郎 功労碑、満州戦没紀念碑、針供養の碑などがある。「連合用水」とは、明治26年より精進川から 水を引いた平岸用水を延長・分岐して、豊平・平岸・上白石・白石の四ヵ村の水田耕作に貢献した 用水で、総延長30キロ、潤した水田500ヘクタールになるという。
神木の栗の木と相馬神社
天神山国際会館前の紅葉
三吉神社(平岸天満宮)
豊平神社境内
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