市道平福線を歩く
'09.08.20. 曇り
 磐渓橋を渡って福井地区に入る。磐渓橋下流すぐの磐渓川と左股川との合流点 は、昔から流れが滞留しがちで、この辺りは水はけの悪い湿地帯になっていた。  この湿地帯は現在採石会社所有の沈殿池らしきものに変っているが、何を沈殿 させているのか、水質保全的にちょっと気にかかる。

左股川の向こう岸には稼行中の採石場と作業の終わった旧採石場の山肌が並んで いる。


「五天山公園」は、民間の採石事業が終わった後、市が買い取って西区では初 めての「総合公園」として造成・整備した。面積約45ha、管理事務所や広い 駐車場を備え、パークゴルフ場や自然学習館、運動広場、何と食堂まであるそうだ。
 山側の遊歩道から公園を見下ろすと、自然を模した2つの池と川筋が造られて いるが、多分人工の水辺であろう。 新規に造成された公園らしく、多数の人工 植生はまだ若木で、むしろ自然の保存林や立ち木、草花がそのままに残されていて 好ましい。


五天山公園を後にして市道平福線道路を平和地区に向かう。この道路はその名の 通り、福井地区と平和地区とを結ぶ2キロ足らずのごく短い道路なのだが、五天山 西側の鞍部を通るため坂の勾配がきつく、最近まで冬季の積雪時には車両通行止め になっていた。そこで、市の土木部では、短い区間ではあるが、平成19年この峠 部に138m長のトンネルを通して通年交通を実現させた。新設のトンネルの上部 に沿って旧道がまだ残っている。



 新設のトンネルを抜けて平和地区へと坂道を下って行くと、沿線の途中に自 治会の集会所らしい「平和第二会館」があって、前庭には昭和3年建立「開村 用水記念碑」が建っている。西野地区は、明治30年代に相次いで着手した農業 用水路掘削の推進により米作が進み、「西野米」の名で札幌近郊有数の米どころ となった歴史がある。

 しかし、戦後は水田が激減、札幌近郊のベッドタウンとして農地の宅地化が進み、 今では畑地も少なくなった。現在の西野地区には、このような用水開削記念碑が 当時の偉業を記憶に留めている。
採石場の沈殿池
五天山公園
平福トンネル
平和地区用水記念碑
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