屯田の水辺を歩く
'09.08.06. 晴
 札幌の北方、屯田地区は明治期の篠路屯田兵村の開拓に始まる。以来、今日に至り 地名として唯一「屯田」の名を残す。屯田地区と新琴似地区を分けている屯田防風林 は大正期に設置され、現在そのグリーンベルトは都市の貴重な緑地帯となっている。

創成川下水処理場で高度処理された上澄み水は、この緑地帯に誘導されて森の中の 遊歩道に心地よいせせらぎの水辺を作っている。



 屯田防風林の水辺からは、さらに2筋の細い人工水路が北へ流れ下り、その一つを 「屯田川」、他の一つを「東屯田川」と称し、いずれも旧発寒川本流に注いでいる。 その途中で川を横断する「屯田みずほ通り」という名のよく整備された遊歩道の傍、 それぞれの川筋に2つの公園が設けられて、水辺のある「西公園」と「東公園」に なっている。





 暑い夏の昼下がりとて西公園には人の姿はなく、青空と入道雲の下、多数の鴨たち のみがのんびりと日向ぼっこをしたり、ぬるい水面を物憂げに逍遥している。鴨の羽 の色はどれも褐色だが、全てがメスばかりなのだろうか。オスの姿がなく水辺の草む らのなかでひっそりと昼寝でも楽しんでいるのか。

 私も木陰の芝生に寝転んで、しばしの間まどろむことにする。



 西公園から出て「屯田みずほ通」を通り、少し東に歩いて「みずほ東公園」に着 く。東公園は、先ほどの西公園に比べると、もう少し人工的な手が加えられた佇ま いになっており、水辺の中央には子供達が水遊びを楽しめるように、緩やかなスロ ープを備えた親水ゾーンがある。

しかし、ここでも人の気はなくせっかくの夏日の太陽も無駄に照りつけているのみ であった。
屯田防風林の水辺
みずほ西公園
みずほ西公園の鴨たち
みずほ東公園
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