磐渓三菱山を歩く
'07.08.08. 曇りにわか雨
 久しぶりに青空が見えたが、昨日の小雨の湿気が入ったためか蒸し暑い。午 前10時には「磐渓市民の森」の入口に着き、三菱山へ登る最短コースを進む。 雨上がりの足元をケアしてスキー用のストックを持参したが、林間の薄暗い遊 歩道は水掃けがよく歩くには何の支障もない。しかし、今日の蒸し暑さでヤブ 蚊が多いのがうっとうしい。ここの遊歩道は道の分岐点に必ず分かりやすいガ イドがあって自分の進みたいコースを番号順に辿れば道に迷うことはまずない。


 草むらの細い踏み分け道を少し直登すると頭上が開けて高圧送電線の下に出 てくる。鉄塔の周辺は電力会社の手になるのか夏草刈がなされており歩きやす い。鉄塔の右手を回り込むと「磐渓スキー場」のリフトの終点のターンテーブ ルが現れる。夏場のことで周囲は人気もないが、ここからはスキー場の滑走斜 面越しに磐渓の中心部と札幌市街方面がよく見晴らせる。暫しここで休憩して 眺めを楽しむ。周りにはこの季節薄桃色のヒヨドリバナがそこかしこに可憐に 咲いている。

三菱山への登り口はリフト終点の少し手前の草むらの中の踏み分け道に入る。 育ちすぎた”よもぎ”のような、人の背丈ほどもある雑草を掻き分けながら山 腹を反時計回りに巻いて登って行く。昨日の雨露が雑草にたっぷりと付いてい てズボンから靴まで水に漬かった様な状態になる。ま、歩いているうちに乾い てくるだろうと先へ進む。山腹を3/4周も巻いたころ道は開けて頭上が明る くなり、谷の向こうに「砥石山」が見えてくる。  道が途切れたと思ったらすぐ左手に不揃いの石を組み上げた石段があり、ま さに三菱山の頂上への最後のステップらしい。ここを上りきった小さな台地状 の高まりが頂上だが、標識も三角点も備わっていない。地図に高さと標高点が 記されているのだから、何らかの印はあるはずと思って探してみると、やっと 平地の土地区画に使う赤ペンキの頭の石柱の標識が見つかった。

 頂上には潅木が茂っているが、それでも磐渓方面、藻岩山方面、砥石山方面 と三方の視界が開けている。磐渓から札幌市街の遠望を背景にもう廃棄された 別のリフト終点の設備が錆びて放置されたまま夏草の中にひっそりと埋まって いる。藻岩山裏の市民スキー場が遠くにかすんで、近くには「コバワールド」 のスキー場が眼下に見晴らせる。  頂上でしばしの休憩の後、不揃いの石段を降りて登山道に出た時に気が付い たのだが、登山道からさらに下へ直に降りる石段もあった。これは恐らく三菱 山への旧道の名残と思われる。  
磐渓市民の森入口
磐渓スキー場最高点のリフト
三菱山頂上(標高482m)への石段
廃棄されたリフト終点より藻岩山、コバワールド
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