幌見峠から藻岩山登山道を歩く
'07.05.26. 晴れ薄曇り
 円山西町神社でバスを降り幌見峠への上りを詰める。 幌見峠から見る円山と札幌市街はぼうっとした春の霞に やや覆われて、遠くの暑寒別や樺戸連山は、まして見え ない。この季節は全山が春の芽吹き、葉吹きで様々な色 合いの新緑が織りなして、まことに美しい。私個人は、 円山や藻岩山からの直接の市街展望よりも、間に円山を 置くこの幌見峠からの眺望が好みだ。





 振り返って後ろを見ると、まだ残雪の白きを頂く手稲 山や百松沢山が近景の磐渓の山々の後から顔を覗かせ、 手前には、幌見峠のラベンター園の土まんじゅうのよう な株が一面に広がっている。毎年7月上旬頃には濃い紫 色の花房が芳しい香りとともに五感を楽しませてくれる だろう。中景には園内のハルニレの若い独立樹が姿よく 立ち上がっている。それにしても、この峠は夏のシーズ ンを除いて、いつ来てもひっそりと迎えてくれる。




 幌見峠からは磐渓方面に下ることなく、今回は初めて の新ルートを試してみた。峠の奥の踏み分け道をほぼ真 南に走破し、次第にその道も定かではなくなるのだが、 最後の標高差50mをヤブ漕ぎして上り、小林峠から藻 岩の主尾根に至る登山道の途中の406m峰横に出る。  小林峠口からの藻岩山登山道は緩い起伏の続く快適な 小径で、あまりポピュラーでないのだが、その代わり他 の登山道では見られないたくさんの山野草をゆっくりと 楽しめる。藻岩山北尾根とのT6分岐から山頂へは向か わずに旭山公園口へと降りて行く。



 旭山記念公園が見えてくるすぐ手前で左側の小径を辿 ると、円山西町に出られる。今回のコースは中央区円山 西町の山側の南縁をぐるりと一周してきたことになる。  日蓮宗・泰信寺の裏側の円山川を見下ろす高みには、 砂防堰堤を背にして観音様や不動様を祀った小祠がある 。この堂宇の前にはいく本かの立派な杉の木立があり、 先ほどの堂宇がちんまりと座っている。昔はここにあっ た不動の滝も砂防工事でなくなったが、すぐ下の橋には 現在も不動の滝橋と刻まれている。橋の袂を右に折れる と出発点の西町神社の前に出る。
幌見峠から見る円山と札幌市街
幌見峠のラベンダー園と手稲山
やまざくらの枝越しに見る藻岩山
杉木立の中の滝不動の小祠
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