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じょうてつバスを「十五島公園」バス停で降りた頃から雲行きがあやしくな
り、ポツラポツラと雨が落ちてきた。折りたたみ傘を近くのスーパーで求めて
国道230号線を直角に折れて豊平川へと向かう。公園の東寄りに架かる人道
専用の白川(しらいかわ)吊橋で豊平川を渡り対岸の白川地区に入る。十五島
と呼ばれるだけあって川中には大小様々な岩が点在している。この橋の上流に
白川浄水場に至るもう一つ同じ名称の白川橋があるが、そちらは車のは通れる
橋になっている。
豊平川左岸のフルーツ街道沿いに西へ1キロ進んでいくと「北方自然教育園」
の施設がある。ここでは子供達の自然教育、体験学習の場として、約5haの
敷地に田植えが行える体験農場や果樹園、学習館、昆虫を飼育・展示した昆虫
館がある。元々、この場所は、児童の教育所として明治36年簡易教育所を設
置、後の白川小学校に引き継がれるが昭和51年過疎化により廃校となった。
今では敷地の入口に小学校の門柱だけが道端に残っている。
途中の休憩小屋などで休みながら約1時間ほどで青山山頂(標高531mで
藻岩山とほぼ同じ高さ)に到着する。山頂は散策路のルートのまだ途中で第
19番の案内板の場所になる。ここからは藤野方面の展望が開け、薄暗くなっ
た雲間から藤野三山の奥には恵庭岳や空沼岳などが展望される。山頂には通常
の標石が木のベンチの傍らに一本埋まっているだけで山名標識もなく簡素なも
のである。そばの山ぶどうの実はまだ未熟の青白い色を付けていた。休憩して
いるとまた雨が来て急ぎ下山にかかる。
下界に降りてくると雨も止み、北方自然教育園の西北側にある「白川神社」
にお参りしていくことにする。フルーツ街道から真っ直ぐ500mほど北へ上
がった山裾に鳥居と社殿が見える。祭神は稲荷神で創祀大正8年とされる。鳥
居や社殿は最近に改築されたらしくまだ新しいが、参道の石段や横に放置され
た沢山の玉石や根元から折れた古い石鳥居などが歴史の古さを物語る。神社の
脇には2基の石碑がおかれている。明治41年建立の「開拓紀念碑」(この字
を使う記念碑は概ね明治期のものと見てよい)は碑文も磨り減って満足に読め
ないものの石組みや佇まいからも古色蒼然としている。その隣の「開基百年記
念碑」の方は平成10年建立で立派な日高石が使われている。
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十五島公園白川吊橋より豊平川 |
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元白川小学校の門柱と北方自然教育園 |
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青山山頂より藤野方面を望む |
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正面より山裾の白川神社 |
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