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じょうてつ「豊滝」バス停から住宅地を抜けて2キロほど南の山側に進む。
「豊滝市民の森」散策路のうち、尾根歩きのコースを選んで上って行く。散策
路の周囲はすぐに紅黄葉に彩られ落ち葉の敷き詰められた山道がまたなんとも
言えず心地よい。尾根道の中心点からさらに最奥部の標高500m地点に達し
そこでしばしの休憩を取る。今まで市内のこのような林間コースを数多く歩い
たが、円山や藻岩山を除いて、途中でハイカーに出会うことはめったにない。
熊との出会いは遠慮するが、人にも会わない市民の森とは何だろうか。
再び尾根中心点に戻り市民の森南入口に向けて下りて行く。途中で小さな沢
を渡ったところに神域があって、ここには妙見堂、鬼子母神(昭和27年建立)
、馬頭観音(昭和6年建立)が祀ってある。妙見堂の中には沢水の湧水があっ
て備えられた柄杓で飲むことが出来る。私の眼病にも霊験があるとよいのだが。
札幌で鬼子母神が祀られている例を私はこれまで出会ったことがないのだが、
ここでは軟石を彫った立派な鬼子母神像が屋根付きの祠に安置されている。
馬頭観世音碑は市内のあちこちにあるが、こちらのは古色蒼然としてなかなか
趣がある。
カラマツ林に囲まれた信行院本殿の階に座って昼食休憩の後、市民の森入口
に下る途中、信行院の寺務所(住職常在)の横に「龍神の水」と扁額の掲げら
れた祠があって、ここからの湧き水を近くの水場で誰でも汲むことが出来るよ
うだ。折からポリタンを積んで水汲みに来たマイカーが次々と坂を上ってくる。
この湧水はどうも「盤の沢川」の小支流らしいが、かなりの水量がある。因み
に地元の人は信行院を「竜神様」と呼んでいた。道端には、「白龍大神」の小
祠も建っている。
道路幅いっぱいに建てられた丸太の鳥居を潜り、市道豊滝東線道路に出て道
沿いに南奥へ500mほど進んで行くと、盤の沢川に架かる橋を渡る手前の林
道への分岐点に古めいた記念碑と石祠が座っている。記念碑は、荒削りの自然
石の表に「皇恩」の2文字のみ刻まれており、明治31年からの帝室御料林で
あった盤の沢の開拓、大正14年の農耕地と山林の払い下げを記念して建立さ
れたものという。かたわらには軟石造の「熊野皇大神」の小祠がある。祠の注
連縄はいつ朽ちてもおかしくないほど古ぼけている。
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豊滝市民の森散策路 |
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妙見堂 |
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盤龍山信行院本殿 |
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皇恩碑 |
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