豊滝・小金湯を歩く
'07.10.24. 晴れ
 盤の沢川を渡って豊滝西線道路を2.5キロほど北へ下って国道 へ向けて進む。途中には、犬の調教場、バンガロー式の宿泊施設、サファリパ ーク、クレー射撃場など、農業以外の多角的な事業や取り組みがいろいろと試 みられている。国道230号線を突っ切って「豊滝小学校」の横を東に折れて 「豊滝神社」を見に行く。地図によれば、神社は浄土真宗「清勝寺」の前にあ ることになっているが、現在ではお寺の裏側に遷座している。遷座する際に境 内の全ての造作を新しくしたらしい。


 来た道を西に戻って「滝の沢川」の流れる沢の道を下ると豊平川の造った河 岸段丘に出るが、ここの平坦な場所にはかって定山渓鉄道の「滝の沢」駅があ った。駅長が電車の花見客のために駅舎の前に植えたとされる2本の桜の木は、 現在大きく育って「二見桜」と名付けられて、この辺りの名所となっており、 桜木の横には案内板も立てられている。まるで二見桜を門柱に見立てたように 背景の八剣山の峰と山体の紅葉がすばらしい景観を見せている。



 ここから1キロ余り西に進むと小金湯天満宮があるので、ついでに足を伸ば した。道々、秋晴れの青空の下遠景に特徴的な形をした「神威岳」と「烏帽子 岳」を望みながら、川の対岸崖を彩る錦の屏風に感嘆を禁じえない。温泉施設 の前の道を一旦国道に出て、定山渓方面に少し進んだ道端から神社の草生した 参道が走っており、紅葉した木々の間から正面に鳥居と社殿が見えている。


 「小金湯」の地名の由来は、湯元が硫黄で黄金色になっていたからとか、明 治年間に砂金が採れたからとか、また近くの黄金沢からとったとか、湯元の近 くの川床に黄銅鉱が露出して黄金色に輝いていたから等の諸説がある。
 小金湯天満宮の創祀は大正13年で熊本県入植者の奉斎という。開拓者の霊 を慰め、功労に感謝する「報徳碑」も境内の近くにあることを後で知ったが、 今回はその存在に気が付かず残念であった。小金湯の開拓は、この碑に記され ているように、明治23年、札幌農学校がこの地区にある農場に小作人制度を 布き、農民を入植させ開墾したことから始まっている。なお、天満宮の右隣に は三面八臂の「馬頭観音像」(昭和25年建立)が置かれているが、浮き彫り のお姿を刻んだ碑は札幌では珍しいと思う。
豊滝神社
二見桜と八剣山
小金湯から神威岳・烏帽子岳
小金湯天満宮
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